さて今日は、「journal of food science(2009.7.30)」に掲載された「紅茶が糖尿病に効果があるかもしれない」という論文を紹介したいと思います。
紅茶を飲む習慣が、糖尿病の予防と治療に役立つようです。
紅茶には、血糖値の上昇を抑える、アカルボースとミグリトールのような、糖尿病治療薬のαグルコシダーゼ阻害薬に似た作用をもつ物質が多く含まれていることがわかりました。
この物質というのが、紅茶に含まれる多糖類。
紅茶に含まれる多糖類は、ブドウ糖の吸収を遅らせることで、効果を出すそう。多糖類とはでんぷんとセルロースを含んでいる炭水化物の一種です。しかし多糖類というと、血糖を上げそうですよね・・・。
おそらくここで言っている多糖類とは、植物の細胞壁の主成分であるセルロースや果物や野菜に多いペクチンなどの難消化性多糖類や繊維質のものだと思います。
それなら納得できるのでは?
食物繊維は糖分やコレステロールの吸収を抑えると言われていますから。
このお茶多糖類は、緑茶や烏龍茶にも入っているそうですが、紅茶に最も多く含まれていて効果も大きいそうです。
α–グルコシターゼについて
さてここでα–グルコシターゼについて少し説明しておきましょう。
α-グルコシダーゼ(α-glucosidase;)は糖 のα-1,4-グルコシド結合を加水分解 する反応を触媒する酵素 。α-1,4-グルコシド結合を持つ代表的な糖、麦芽糖 (マルトース)もこれによって分解されるため、マルターゼ(maltase)とも呼ばれます。
ヒトでは小腸上皮細胞に膜酵素として発現している消化酵素で (膜酵素であるのは、吸収直前に単糖に分解することで腸内細菌などに栄養を奪われにくくする為)、殆どの生物がこの酵素を備えており、代謝 にかかわっています。
ということは、茶多糖類は、この腸の上皮細胞にあって炭水化物をブドウ糖という最小単位に分解する「α-グルコシダーゼ」と呼ばれる酵素の働きを抑制してくれるというわけですね。
これによって糖の吸収を抑えているのです。
調べてみると、いままでも中国と日本の民間療法では、渋茶または番茶が、糖尿病の治療のために使用されてきたとう歴史があるようです。血糖降下作用は、渋茶に含まれる多糖類含有量とともに増加するそう。
紅茶、緑色、ウーロン茶には、それぞれ、茶多糖類の BTPS、GTPS、OTPS が含まれています。これらの茶多糖類には、抗酸化作用と、血糖値を減少させる作用があることが知られています。そして紅茶の多糖類は、抗酸化作用、つまりフリーラジカルの除去作用も、3種類のお茶の中で最も高いことが今回わかったのです。
紅茶がそれほど、糖の吸収を抑えてくれるなら、血糖の問題を持っている人にとっては朗報かもしれないですね。
ただ注意しなければならないこともあります。それは最後に・・・^^。
お茶を飲む事について
この研究は、中国の天津大学のハイシア・チェン(Haixia Chen)氏らが、 Journal of Food Scienceに発表したものですが、チェン氏は、「いままで自然の材料から有効な血糖抑制に効果のあるものを捜し求めるための多くの研究がなされてきた。糖尿病を抑制するのに、紅茶多糖類の効果は有望」と述べています。
ただ、この研究では、地方市場で購入した紅茶から多糖類を得るために普通の熱湯で紅茶を抽出したのではなく、化学抽出分解法を使用していたため、実際に紅茶を直接飲めば効果が出るのかどうかはまだわかってないそうです。
なるほど〜。まだ直接飲めば良いかどうかはわかっていないのか〜。
でも、昔から日本や中国でお茶を飲んで糖尿病を治療してきたことを考えれば、紅茶を飲む事は、ある程度効果を発揮できるのかもしれません。
最後に・・・
お茶について知っておいてもらいたいことがあります。
お茶はカテキンなどのポリフェノールが入っており、抗酸化作用が期待されていますが、それと同時にカテキンから作られるタンニンが萎縮性胃炎、胃がんにつながるとの話もあります。またカフェインの身体に与える影響は軽視できません。カフェインの過剰摂取は副腎に負担をかけます。またアドレナリンの分泌を刺激し、かえって血糖値が不安定になる要素もあります。
そうかんがえると、紅茶。どうなんでしょう。
私は、こういったタンニンやカフェインを含むお茶を、頻繁にお水の代わりに飲んだりするのはどうかと思っています。
お茶は、多くても1日2〜3杯くらい、食後に楽しむくらいがちょうど良いのでは?
というのが今の私の考えです。
K.K.
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カイロプラクティックは、薬は使わず手だけで身体の治療をするアメリカ生まれのヘル
スケアです。
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参考文献:
Black Tea May Lower Blood Sugar
from WebMD — a health information Web site for patients
Daniel J. DeNoon
Authors and Disclosures