骨の形成|女の人が大草原で青空に向かって大きな手を広げている姿

 

さて骨シリーズも佳境になってきました。
今日は骨の作られ方についてお話していきます。

 

前回の骨の話では↓

 

 

骨も、皮膚と同様に生まれる前に形成され、その後、更新されつづけます。
骨が成長して、成人の骨の形と大きさに達した後でも、古い骨は破壊され続け、その場所に新しい骨組織が形成されます。

この古い骨組織を新しい骨組織で取り替え続けることを、骨のリモデリング remodeling といいます。

 

 

 

正常人では骨吸収と骨形成が平衡状態にあるため、骨量は一定に維持されていますが、このバランスが破錠したりすると、骨量が減少して、骨粗鬆症などが起こります。

 

また骨には、骨芽細胞と破骨細胞という細胞が存在します。骨芽細胞はミネラルとコラーゲンを沈着させて骨を形成しますが、逆に破骨細胞はミネラルとコラーゲンを吸収して骨組織を壊す働きをしています。
この二つの働きには微妙なバランスが保たれているのです。

あまりにたくさんのミネラルが骨に沈着すると余分な骨組織が骨に大きなこぶや鋭い突起をつくり、関節の動きを悪くすることがあります。また逆に骨からカルシウムが過剰に失われたり、新しい骨組織が十分につくられなかったりすると骨が弱くなり、曲がったり、骨折しやすくなります。

このように、この二つの細胞の働きは骨のリモデリングには非常に重要なのですね。

 
 
 
 
 

骨はどうやって作られていくか!?

 
 

では骨はどのように作られていくのでしょう。

 

まず、骨を作るのに必要なのは、みなさんご存知のカルシウムでしょう。
ですが、カルシウムだけでは骨は作られません。
実はそこには様々な栄養素やホルモンが関わってくるのです。

例えば、お魚の小骨を食べたとしましょう。
お魚の小骨はもちろんそのままでは吸収されません。
胃酸に溶けてカルシウム Ca に分解されます。その後、小腸の壁から吸収されるのですが、そのままではなかなか吸収ができないのです。

 

そこにビタミンDが必要になります。

 

 

ビタミンDは肝臓と腎臓で活性化され、活性化ビタミンD(ビタミンD3)というビタミンになり、このビタミンD3が消化管からのカルシウム吸収を促進してくれます。
ビタミンD3は腸管の内皮細胞でカルシウム結合たんぱく質を産生し、カルシウムの吸収を増加します。

血中のカルシウム濃度が増えると、甲状腺から甲状腺ホルモン(カルシトニン)が分泌され、骨芽細胞の働きにより、新しい骨が形成されます。
この時、カルシウムは、リンと結合したリン酸カルシウム、リン酸水素カルシウムやマグネシウムと結合したリン酸マグネシウム様物質としてコラーゲンとともに骨に沈着します。また骨のたんぱく質と直接結合するカルシウムもあります。

 

 

ビタミンD
  ↓ マグネシウム
ビタミンDの活性化(肝臓、腎臓)
  ↓
カルシウム結合たんぱく質の産生(小腸)
  ↓ カルシウム
カルシウムの吸収と移動
  ↓ リン・マグネシウム
リン酸カルシウム、リン酸水素カルシウム
リン酸マグネシウム様物質
カルシウム
コラーゲン(アミノ酸から形成された)
  ↓
骨に沈着

 

  

このように骨の形成にはカルシウムの他に、十分なミネラル(リンやマグネシウム)、ビタミン(A、C、D)、数種のホルモン(骨形成を刺激するヒト成長ホルモンや膵臓から分泌されるインスリン、甲状腺ホルモン)などが関わってくるのです。

 
 
 
 
 

骨形成にとても大切なビタミンDの話

 
 

その中でもカルシウムの吸収を助ける重要なビタミンD。
ビタミンDは、動物性食品から「コレカルシフェロール(ビタミンD3)」としてまた植物性食品から「エルゴカルシフェロール(ビタミンD2)」として摂取されます。
このビタミンDを多く含む食品を挙げておきましょう。

 

 

動物性食品(D3)・・・
イワシ、カツオ、タラ、サバ、サケ、メカジキ、カレイ、サワラ、サンマ、すじこ、うなぎ、卵黄

植物性食品(D2)・・・
乾燥椎茸、きくらげ(乾燥/茹でたもの)、肝油、酵母、小麦胚芽油、ほうれん草、キャベツ、菌類

みなさんビタミンD摂れていますか?

 

 

食品以外にも、紫外線に当たることによって皮膚でコレステロールの合成過程から作られるビタミンD3があり、どちらかというと体内ではこのビタミンD3の働きがカルシウムの吸収に役立っています。カルシウムを効率よく利用して丈夫な骨を作るには、食品からのビタミンDの摂取と同時に戸外でのスポーツや散歩などで、十分に日光浴することも必要だったんですね。

 

 

実は本来であれば、体内に蓄積しているビタミンDの多くは、食材で摂取するよりも紫外線を浴びることで皮下に作られる量のほうが断然多いのですが、近年は、紫外線から皮膚を保護する習慣が世界的に広がり、いまでは女性だけでなく、男性や子供にまでその傾向があります。
たしかに紫外線を多く浴びることへのリスクはありますが、1日15分~20分程度の日光浴でも、牛乳の中に含まれる何十倍ものビタミンDが体内で合成されるので(しかもタダで)、1日1回くらいは日光に当たることを心がけたいものですね^^。

 

 

Information

 

Written by

小菅一憲

Bachelor of Applied Science
Bachelor of Chiropractic Science
AK Practitioner

国際基準のカイロプラクター
アプライドキネシオロジスト
健康栄養指導士
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Thank you for reading to the end.