生理前症候群case2.2

今日は、PMSと低血糖症といったような最近よく聞くようになった問題と食物アレルギーの関連が強いリーキーガットの問題についてご紹介したいと思います。この方(30代女性)は、小さい頃から疲れやすい体質でよく頭痛や咳をしている記憶があるとのことでした。そして35歳ぐらいを過ぎてからはそれらの症状や体調が年々ひどくなっており、特にその中でも生理前症候群(PMS)で月の半分2週間はしんどい状態が続くそう(疲労、むくみ、肩こり、動悸、息がしづらい、記憶力低下、酸欠、イライラ)。また、その2週間は体調もさることながら、精神的にも上下が激しく、起きていられないこともあるそうです。

その後、これらの症状について専門のクリニックに行ったところ、リーキーガット症候群と診断され、サプリメントをたくさん飲むように。さらに食べ物を食べた時に咳や息が詰まる感じがあったことから、食物アレルギーの検査を受けたそうです(小麦、卵、牡蠣、昆布に反応あり)。その他、インターネットを見ていたら、低血糖症という症状が自分に当てはまっていたので、ブドウ糖の負荷検査を受け、その結果90分から低血糖が起き、反応性低血糖と診断されたとのことでした。

こういった経緯から、スーパー糖質制限を行ったところ、かなりエネルギー不足な状態に陥り、その後リンゴを少し食べても反応してしまうぐらいになってしまい、何より症状もまったく変わらないということで、何が一番の原因かがわからなく悩んでしまっているとのことでした。当院にいらした時のご希望としては、もともと胃腸があまり丈夫ではないので、サプリメントを大量に飲んだり、お肉をたくさん食べたりはなかなか続かず、もう少し、ステップを踏んでやっていきたいとのこと。

症状を聞くだけでも、大分お辛い思いをされており、私もしっかりとお身体診させて頂きました。

 

 

PMS、低血糖症、そしてリーキーガット症候群による体調不良を治すには!?

 

 

まず身体全体のバランスや内分泌に関わる臓器をチェックしていきました。そうすると副腎や肝臓の機能低下や子宮の下垂(女性ホルモンの問題にも関連します)などが見られました。またホルモンの中枢である下垂体に関わる頭蓋骨の問題があり、ホルモンバランスが乱れていることがわかったのです。

治療では、まず副腎や肝臓のリンパのポイントに対する治療やカイロプラクティックによる内臓マニュピレーション(機能低下や疲労している臓器は張りが強く肥大していることも多いので、周囲の臓器を圧迫したり、臓器自体の働きが落ちているため、それを少しでも緩めたり、動きをつけたりする治療)を行ないました。また子宮のリフトアップやホルモンに関わる頭蓋骨の調節を行ないます(これらは呼吸とともに優しく押圧していくような方法です)。その後、副腎に関わる背骨の関節や生殖器に関わる骨盤部の治療をして終了です。治療後には、副腎機能を回復させるための朝の塩水やビタミンC、そして女性ホルモンの代謝に関わるようなビタミンB6やマグネシウムなどのサプリメントを摂取してもらうようにアドバイスさせて頂きました。また食事では低血糖が起きないように、甘くない間食を摂ることや食事バランスについてもお話しました。2回目の治療時には、大分朝の寝起きや身体の状態は改善したことを報告してくださいました。まだまだ、低血糖が起こる時や月経の問題は残っているので、継続して治療をしています。

 

今日のpoint

今回のPMS、低血糖、慢性疲労の原因は、「日々のストレスや食物アレルギーによる副腎疲労によって、血糖値のコントロールがうまく出来なくなり、低血糖症状が起こったこと。また副腎疲労によってコルチゾールやアルドステロンなどの需要が高まり、それによって女性ホルモンであるエストロゲンが過剰になり、低血糖はもちろん女性ホルモンバランスの乱れによるPMSが起こったこと」でした。

大分、難しい話になりましたが、PMSと低血糖症の背景に必ずと言って良いほど、副腎疲労は関わっています。副腎機能低下症と低血糖症は併発するケースが非常に多いのです。これは副腎の一つの働きである「血糖値のコントロール」が関わっています。副腎は血糖値が下がり過ぎないように、ホルモンを分泌し血糖値を上げる作用を行っています。副腎機能低下症があると、血糖値が下がってきても副腎の血糖値を上げる働きが十分ではないので、低血糖に陥りやすくなります。それを考えると、長期的なストレスや過度のストレスが背景にあり、副腎機能低下から低血糖症が引き起こされることもよくあります。また女性ホルモンである「プロゲステロン」が、副腎からの大事なホルモンであるコルチゾールやアルドステロンの材料になっているので、ストレスによって副腎から分泌されるこれらのホルモンの需要が高くなってくると、同様にプロゲステロンの需要も高まります。こういったことが続くとプロゲステロン量は低下し、逆にエストロゲンが上昇し始めます。
低血糖やエストロゲン過剰はPMSの原因になりますので、副腎疲労からこういった症状が起こることは何ら不思議ではありません。
また最後に食物アレルギーやリーキーガット症候群ですが、これらも副腎の機能低下させる大きな原因になりますね。食物アレルギーや不耐症の背景にあるリーキーガットは腸の粘膜に傷がついてしまうような問題ですが、腸内がこういった問題で炎症状態に陥ると副腎はもちろん身体に大切な栄養の吸収障害も起こってきます。問診でのお話だけを聞くと複雑だと思いますが、全てに原因があり、密接につながっているのです。
長くなりましたが、こういった症状でお困りの方がいれば、是非一度ご相談くださいね^^。

 

K.K.

 

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カイロプラクティックは、薬は使わず手だけで身体の治療をするアメリカ生まれのヘル
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