今日は、70代女性で腰から左足先までの電気が走るような痛みがあった方の紹介です。
この方は、先週に寝返りをうって急に痛みが走ってから、下腿(膝下)の外側の辺りがビーンと痛む時があるということでした。一番辛いのは夜で、寝ている時に痛み、朝の動き出しが痛みでなかなか動けないそう。その他日常生活では、歩行は特に問題なく、座っているのも痛みはないという。病院ではレントゲンを撮り、足の痛みは坐骨神経痛だとの診断。その他、小さい頃小児麻痺があり、左半身が弱かったそうです。
足全体のバランスが崩れていた
痛みの質から神経的な兆候がありそうだったので、神経学的な検査を行いましたが、ヘルニアや狭窄症などの可能性はなさそうでした。ただ坐骨神経領域に痛みが出ており、坐骨神経を引き延ばすと痛みが増悪したので、そこに問題があることは明白で、左の殿部(特に梨状筋)が過緊張しており、骨盤(なかでも背骨の下部、仙骨)に傾きがあったのです。
これらの検査から、殿部の奥の梨状筋が過緊張を起こし、その下を通る坐骨神経を圧迫している「梨状筋症候群」の可能性がありました。その他、これは2回目以降の検査でわかったのですが、左下腿の筋肉の力がほとんど入らず、これに腓骨(下腿の外側の骨)の動きの問題が関わっていることがわかりました。足首は内反位(よく捻挫する方向)に傾いており、大分長期の問題がかかわっているようでした。
初回時は、坐骨神経の痛みを取り除くために、梨状筋症候群に対しての治療を行いました。なず梨状筋が付着している仙骨(背骨の下部)の傾きや股関節の動きを正常に戻すことで、梨状筋の緊張を取り除きました。大分腰のバランスが落ち着いたので、その日の治療は終了しました。2回目の来院時、腰の痛みは大分よくなったようだったのですが、下腿の痛みが変わらないとのことだったので、再検査を行い、腓骨の問題と下腿の筋肉に対する治療(筋線維の硬い部分を取り除く)を行いました。
3回~4回治療を続けると、夜の痛みもなくなり、朝起きて動き出すときも早く動けるようになったということでした。
今日のpoint
今回の足のシビレの原因は、「長期的に足にかかる負担から足首の傾きが生じ、そこから足全体のバランスが崩れ、梨状筋が過緊張、座骨神経を圧迫してしまったこと」でした〜。
病院で坐骨神経痛と診断されることは多いと思いますが、これは足のシビレの総称で呼んでいることが多く、「梨状筋症候群」は坐骨神経痛の中でもメジャーなもののひとつです。梨状筋症候群の治療は難しい治療ではないですが、今回はそれに下腿の問題も合併していました。下腿は大分内反の癖がついていたので、日常生活での姿勢や癖がないか、お聞きしたところ、正座をすることや仕事でミシンを使うときに足首をよく使っていたこと、またダンス教室で足を内反位にして立つことが多いなど足首に負担をかけてきた様子がわかりました。
骨の変位や傾きは、こういった普段の何気ない姿勢や癖の積み重ねから発生し、知らないうちに筋肉に負担をかけていることがあります。ひどくなる前に定期的なカイロプラクターのチェックを受けることも健康管理のひとつではないかと思います。
K.K.
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カイロプラクティックは、薬は使わず手だけで身体の治療をするアメリカ生まれのヘル
スケアです。
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