今日紹介するのは60代の男性の股関節痛のケースですが、このくらいの年齢50代以上になって出てくるような腰痛や股関節痛にはよくみられるケースだと思います。
年配の方によくみられる変形性関節症
この方は、20年前から腰痛を持っており、疲れると腰の背骨にそってゴリゴリした筋肉の張り感があるということで、とくに現在は右側のお尻の張りが気になるということでした。
検査していくとたしかに、腰の張りは強く、腰椎全体の柔軟性も落ちていました。また右側の殿部が張っていると感じるのは、奥の方の梨状筋(骨盤中央~股関節まで付着している筋肉)が過緊張を起こしているせいだということがわかったのです。この梨状筋は片方の側が緊張していると、大抵、反対側には筋力低下が見られることが多く、この場合も逆の左サイドの梨状筋には筋力低下がみられました。また左側は梨状筋が付着する股関節の動きが非常に固く、おそらく関節の変性が起こっているだろうと予測できました。
今回のケースでは、腰椎から骨盤までの全体的な柔軟性の低下も原因の一つになっていましたが、なによりも左の股関節の変性が骨盤のバランスを崩し、腰にかなり負担を強いていることがわかりました。まず股関節の関節腔を広げるように牽引し、さまざまな方向に伸ばしていきました。また一番動きの固い方向へは何回か動きをつけるような mobilization(関節の動きゆっくりつけていく治療)を行いました。これにより負担がかかっていた梨状筋も正常に作用するようになり、骨盤のバランスが戻ってきました。
その後殿筋群の筋肉の硬い部分はしっかりと押圧し、血流を回復させました。もちろん骨盤、腰椎の関節の治療も行い、治療終了です。
治療後は大分軽くなったようですが、次の来院時にはまた張りが戻ってきているようでした。
こういった年齢による変性が関わるケースでは何回か継続した治療が必要になりますね。
今日のpoint
今回の腰痛・お尻の痛みの原因は、「年齢による股関節の変性が、骨盤周りの筋肉に負担をかけてしまっていたこと」でした~。
年齢を重ねると骨や関節は老化します。これは誰にも避けられないことですが、負担がかかっている関節は、老化がすすみやすくなります。股関節の変性はよくみられる症状ですが、やっかいなのは股関節の柔軟性が落ちると腰にも負担をかけるということ。この場合、もちろん股関節自体も痛みますが、骨盤がバランスを崩し、慢性的な腰痛に突入しやすいのです。こういった腰痛は、おおもとの原因となっている股関節をしっかり治さないと治りずらいのですね。
それだけ股関節と腰はつながりが深いわけです。普段から股関節周りのストレッチをしておくことは、こういった関節の変性の予防になるだけでなく、腰痛予防にも効果的といえるでしょう^^。
K.K.
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