今日は頚椎の狭窄症第二弾です。

 

この方は、半年以上前に左の腕が急に痛みだし、その後腕の痛みはなくなったが、指のシビレが残っているとのことで来院されました。現在では首を下げると左首から背中にかけてが吊るように痛くなり、病院ではレントゲン撮影で、頸椎ヘルニアと診断されたそうです。また最近では仰向けになって首を左に向けるとめまいが少しするという(40代男性)。

 

 

 

神経根の圧迫

神経学的な検査を行うと、左の親指、人差し指、中指に感覚の鈍さがあり、頚神経の5番のレベルに関わる腕の筋肉に弱さがみられました。また神経を全体的に引き延ばすようにすると痛みが誘発し、首を左に傾けたり、後ろに倒すとシビレが強くなったのです。

この症状は、頸椎の神経が通る部分(椎間孔)で神経が圧迫されてしまう問題だったので、頸椎の関節に柔軟性をつける治療を行いました。また首の負担を取り除くため、上部胸椎(首を支える部分の関節)の治療と、肩の前後の筋肉のバランスをとるようにしました。

治療後は、シビレが大分改善し、首を倒した時の痛みも緩和しました。

 

 

今日のpoint

今回の手のシビレの原因は、「頚椎の神経が出てくる穴のところで圧迫が起きていたこと」でした〜。

頸椎の関節に対する治療を行うことで、関節の柔軟性はもとより、関節周囲の結合組織などの癒着状態も改善します。そのことが神経圧迫を緩和することにつながるのです。少し時間はかかりますが、この癒着や結合組織の状態が良くなってくれば神経症状はなくなってきます。今回のケースでは、病院で先に頸椎ヘルニアと診断されたとのことですが、ヘルニアかどうかは実際には椎間板をしっかり映してくれるMRIをとらないことにはわかりません。レントゲンでは骨の間が狭くなっていることはわかっても椎間板の状態まではわからないのです。また頸椎ヘルニアは腰椎ヘルニアより発生率が極端に低く、外傷であることがほとんどです。

なお、今回はヘルニアの特徴である前に倒したときにシビレが強くなることもなく、逆に後ろに倒した時にシビレが強くなっており、狭窄症の疑いが強かったので、そのように判断しました。

 

 

K.K.

 

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